1) 今、医学はどのように変わろうとしているのか?

 今、医療とも直接関係のない、一般の人たちに非常に健康志向が高まっています。テレビでも健康に関した番組が多く、放送された翌日の診療で話題にのぼります。しかし、多くは中途半端な説明とか一般論であるとかで、それを見た視聴者も誤解して自分に都合がよいように解釈してあることが多々あります。また、健康食品、民間薬の雑誌での紹介、さらには受診のときに自分が飲む漢方薬を指定して来られる方もあります。

 ほとんどの医師はそれらについて勉強することもなく、中には漢方薬を科学的ではないと、はじめから退けるように目を背けられる医師もあります。そのような医師に健康に関する相談をしても、

  
「なんで自分に、そんな医学と関係のないことを聞くのか」
と、不機嫌になる医師、

  「そんなものは医学的に根拠がないので、飲んではいけない」
と、はなから否定する医師、

少し良くても
  「自分はわからないから、家族でよいと思われることであれば、患者さんになんでもしてあげて下さい」
と、自分の逃げ場を求めている医師が、私が患者さんから聞いて知っている医師の印象です。

 食物と西洋薬である化学薬品の間に位置する生薬、この生薬を中国2000年の歴史で組み合わせた漢方薬を、うまく患者さんに投与するには東洋医学の知識が必要であります。漢方薬がなぜ効くのかということを勉強していくと、食物の延長である生薬の知識も深まり、かなりの健康食品や民間薬の理解ができるようになります。

 西洋医学が良い、いや漢方の東洋医学が良いという話ではありません。この二つの医学にはそれぞれに長所があるので、対立するのではなく、患者さんの恩恵になることが大事です。それぞれの医学が相補うことが必要であると考えます。

 EM菌を発見した琉球大学の農学部の教授である比嘉照夫先生によると、「医者は構造不況業種だから、世の中がうまく回転していくようになると病気はなくなるから、医者は失業するのだ。成績の良い子が医学部に入るが、これからは農学部に入学してEM菌を使った効率のよい農業に従事すべきだ」と、苦言を提してあります。

 私は、予防医学と治療医学の間に「一病息災の医学」、あるいは現代的にいえば「多病息災の医学」というものを提唱したいと思います。 一度病気を経験した人が、自分の健康に関心を持って、心と体の健康を維持していくということですが、これからの医師は積極的に患者さんの健康志向に助言できるようになることが必要と感じています。

 また、患者さんの立場になれば、小学校、中学校の保健の授業を校医に担当させ、かなりの医学知識を教育すれば、自分の健康は自分で守ることができ、医師は本当に構造不況業種になるでしょう。