健康・治癒に対するこころの四つのはたらきをうまく作用させると良いでしょう。

 すなわち、
信念・思考・イメージ・感情の四つのこころのはたらきをうまくコントロールすると、健康の維持と病気になったときの治癒の促進に役に立ちます。


 
1. 信念

   それが起こることを信じなければ、それを経験するチャンスは少なくな
   ります。健康でありたい、病気を早く治したいと思わなければ、健康に
   はなれない、病気が良くならないのです。
   その、方法のひとつは、治癒を経験した人たちを探し出して、その人
   たちの現実を自分の現実にしてしまうということです。すなわち、治癒
   を妨害せず、促進する方向に信念を変えるためには、同じ病気の治
   癒を経験した人を探すこと、それ以上の良い方法はないように思われ
   ます。

 2. 思考

   思考への耽溺(たんでき)。すなわち、思考は私たちを「いま、ここ」から、
   過去へ、未来へ、幻想へ、つまり、非現実の世界へ連れ出してしまいま
   す。そのため、思考は日常生活においても不安・罪悪感・恐れ・悲しみ
   など、治癒の妨げになり、苦悩の原因となります。感情の源泉ともなりま
   す。

   治癒の妨げとなる思考から注意をそらす方法があります。

     1. からだの感覚に注意を集中することです。全身の筋肉に緊張と
        弛緩を繰り返す(リラクセーション)ことでできます。

     2. 「呼吸」に注意を集中します。瞑想がこれにあたります。

     3. 注意を反対方向に向けることです。たとえば、癌になる恐怖、と
        いう思いに囚われてしまったら、免疫系が絶えず癌細胞を掃除
        してくれていると考える、などです。

   要するに、取り越し苦労をせずに、ポジティブ思考をしようという
   ことでしょう。


 
3.イメージ

   ほとんどの人は、こころの目に映るイメージを、ただ漠然と眺めていると
   いわれます。漠然ではなく、その過程を意識的に操作することが肝心
   です。
   すなわち、イメージを細部にわたって、より鮮明に、明らかにする練習
   をすることです。そして、治癒を促進するためには、普段からイメージの
   力を使うようにこころがけることです。そうすれば、重い病気になって、
   治癒力を総動員しなければならなくなったときに必ず役に立つのです。


 4.感情

   一般に日本人は感情を抑えることを美徳であるように教育をされ、「感
   情をコントロールする力を身につけろ」と言われます。

   しかし、自発的治癒を促進するということで、感情の役割を考えると、病
   気の人においては、激しい感情を養うほうが、より効果的だと考えられ
   る場合があります。   

   こころに抱いた感情が肯定的なものか、否定的なものかは問題ではあ
   りません。からだの機能に影響する力を持つのは、その
感情の強さ
   す。
自発的な治癒の妨げになるのは、否定的な感情よりも、むしろ
   情の鈍磨
です。
   たとえば、ストレスで神経症になった患者さんに、医師は話を聴くことで
   良くなそうとはせずに、安易に抗不安薬の処方がなされますが、抗不安
   薬の服用による感情の鈍磨は、決して良くありません。さらにこのような
   従来からの抗不安薬は常用量依存といって、量は増えませんが、薬の
   量を減らすことができないという、新たな依存が問題視されています。

            アンドルー・ワイル著 「癒す心、治る力」 角川書店


              を参考に、私の考えを加えたものです。