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職場などで一斉に行われる定期健康診断は、年に一度、自分の健康状態をチェックする絶好の機会だ。「異常なし」という結果だけを見てそのまま机にしまい込んでいる人はいないだろうか。各項目の数値の意味を正しく理解し、その変化に注目するだけで、健診結果を有意義に利用できる。
「健診は病気の早期発見に役立てるという意義ばかりが重視され、健康管理の入り口という意味が見過ごされてきた」。
診断書に「異常なし」と書いてあっても、しまいこむ前に数値をよく見てみよう。正常値でも、異常値とどの程度離れているのか、前回検査から変化していないかなどをチェックすることが必要だ。
数値を見れば、血糖値や中性脂肪などどこが自分の弱点かが分かり、どんな病気の予備軍であるかが分かる。 「悪化していたら、医師の指導を受けて生活習慣を改善するなど、自己の健康管理に役立てられる」。診断書は最低、五年分は捨てないで取っておこう。
もちろん、ガンの早期発見や、心筋こうそく、脳こうそくなど血管障害のリスク検出にも健診は有効だ。ただ、エックス線は「胃がんは発見できるが、肺がんは難しい」と多くの医師が指摘するように、健診では発見できない病気もあるから、過信は禁物だ。 なかには、悪い数値が出ないよう「一週間前から禁酒・禁煙する」人もいるようだが、「ふだんの習慣が健康にどんな影響を与えているかを知る機会を逃している。これでは何にもならない」。
中性脂肪は空腹時と食後とで検査値に大きな差が出るなど、健診を受ける状態や個人差や遺伝的要素によって標準的な数値は大きく変わる。一回の検査だけでは分からないことも多いので、検査結果に一喜一憂する必要はない。
では、具体的に検査結果の数値はどう見たらいいのか。例えば、体重と身長から算出するBMI値は、従来は26.4以上が肥満とされていたが、25以上に引き下げられた。以前は正常だった数値が、現在は異常とみなされる。 一つの数値だけでなく他の項目も組み合わせてみることも重要だ。
例えば、高脂血症と診断される総コレステロールの数値は220以上だが、糖尿病の危険因子があると200以上、狭心症の発作を経験していると180以上というように変化する。脳こうそくと血糖値の間に、相関関係があることも分かってきた。
「受診者がどんな危険な要素を持っているかで、診断基準の数値も変わってくる」
最新の研究成果を反映させながら、健診の数値を検討し、実際に生活習慣を変えるべきか、薬を服用すべきかといった判断を下すのは一般人には無理。自己診断で習慣を変えたりするのは危険な場合もある。素人考えで、無用な心配をしたり、勝手に判断を下すのではなく、専門の医師を訪れ、適切な助言や指導を受けるほうが良い。
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